「留学を考えられている皆様へ」



大藤 洋子

30代を目前にして留学を決意した娘に、「行って何するの?」と聞いたのは母でした。話を作り上げながら、不安でいっぱいだったのを覚えています。何の保証もないのですから。


どうやら無事に両親を説得すると、コーネル大学などのUndergraduateでいくつか学期をおさめ、ミシガン大学MBAプログラムへすすみました。卒業後は世界最大級のメーカーで複数の海外勤務を与えられながらファイナンス部門で10年、その後日本企業の東証一部上場に参加して、今は外資系広告代理店でCFOをつとめています。留学を決めたころは、今の自分の姿を想像すらできませんでした。母へのプレゼンテーションが極力こぢんまりした計画だったことは言うまでもありません。


1、 ミシガン大学の選択

ミシガン進学前、米国ではひとつの大学に対するイメージが人によってさまざまに異なることを知りました。各校の個性が強いからですし、優秀な大学はたくさんありますから、学校に求めるものによって評価が随分変わることがあるのです。他人の意見も大事ですが、まずは自分が魅力を感じるものを絞れなければ、後で後悔するかもしれません。

私の場合、強力な教授陣とカリキュラムの独自性、に加えて次のような点からミシガンを選びました。
(1) 名前が広く知られている
(2) ビジネス界に優秀な人材を輩出している
(3) 東海岸、西海岸、米国外から、多様な学生が集まる
(4) 全米リストにも載る「雰囲気のある」キャンパス
(5) スポーツや音楽などの米国文化を、効率良く、良質に(大事です)学べる

ところで、アメリカンフットボールの試合を、勢いよくしかも品を失わずに野次る日本人女性は目立つらしい、ということは卒業後にわかりました。しかも本で読んだ知識ではなく、ローズボール観戦の実体験者ですからジョークも弾みます。まだまだ男性主導が多いビジネスの世界で、このちょっとした話題は幾度も我が身を助けてくれました。


2、 卒業後のネットワーク

米国では大手企業のトップマネジメントにミシガン大学出身者がたくさんいるのはご周知のとおりかと思いますが、有力なビジネスネットワークは米国に限ったことではありません。私が駐在や集中出張した国は、米国のほかにスイス、シンガポール、英国、フランス、中国ですが、どこに行ってもミシガンの卒業生がみつかり、さまざまな情報交換や新規ビジネス紹介などでお世話になりました。外部の方には転職を、同じ会社にいれば昇進を助けてもらったこともあります。

プライベートネットワークも世界各国に散らばって、例えば日本企業の欧州支社長に就任してドイツに住んでいる米国人の先輩と、フランスの用事の後にロンドンで夕ご飯をご一緒する、という予定が実際に入ったりします。在学中に一軒家をシェアしていた米国人のルームメートたちとは交友が続き、生涯の友です。

また、近年はグローバル企業に働くアジア人MBA保有者の間で一種独特の文化が形成されつつあると感じています。国境、宗教、人種、歴史の壁を超えて共通するのは、人生のある時点で大きなリスクを取る決断をし、米国という強烈な環境の中で自我をつちかい、時には寂しさと闘いながら、自分と周囲の期待に応えてみせた、という点でしょうか。自国と留学先との文化を合わせもって、どちらにも貢献しながら自己成長を続けたいと願う高い志をシェアする者同士、初対面でもすぐに打ち解けられる理解があるようなのです。


3、 今のMBA保有者に求めるもの

MBA保有者と人事採用面接でお会いしたら必ず尋ねる質問があります。
「ビジネススクールで何を学びましたか?」
正解などありません。でも、他と比べて著しく好感を持つ回答があります。それは、「正しい優先順位のつけ方」です。

ミシガン大学では、毎日多くのイベントがあります。授業、グループワークはもちろん。予習・復習・リサーチに数時間。ジムにも行きたいし、日本では2万円もするコンサートが20ドルだったり、新しいレストランがオープンしたり。有名企業の社長が講演に来ると聞けばスーツに着替えて出陣。パーティは企画も参加も手を抜けません。1日が50時間あれば良いと本当に思っていました。

こんな状況で置きざりにされるのが嫌なら、迅速で的確な優先順位をつける力を養うことでしょう。幅広く情報を収集し続けながら常に先を読み、おいしいところは逃さない。リスクは管理し、決め手は瞬時の決断力とぶれない焦点。これがわかっていればマネジメント候補にイチオシします。ミシガンでの2年間はまさにこの繰り返し練習でした。

どうか、皆様も実り多い留学生活をエンジョイされますように。

Wishing you all the best,

 

NB Fellowship (New!)

Full-time MBAに私費で留学する日本人向けに、当校OBが奨学金制度を設立しました。

 

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