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早川 禎彦

ミシガンMBA98の早川と申します。
現在、ソニー株式会社に勤務、同社グループの金融子会社、Sony Global Treasury Services Plc"SGTS" 本社: UK)の米拠点、SGTS NYVice President & Treasurerとして米New Yorkに赴任しています。


私のキャリアパス~自己紹介も兼ねて

私は1990年に大手都市銀行に就職、支店勤務を経て企業派遣生としてミシガン大学ビジネススクールに留学しました。卒業後は、国際業務を所管する本部機能に異動し、そこでプロジェクトファイナンスや不動産ファイナンスを経験しました。2001年に、11年勤務した銀行からソニー(財務部)に転職しました。当時、不良債権問題により、私が勤めていた銀行も国際業務を大幅に縮小、海外志向が強かった私にとって転職を考えるきっかけとなりました。加えて、第三者として金融戦略・商品を提供するだけでなく、実際に当事者として金融・経営に携わりたいという考えもありました。転職先として投資銀行やコンサルティグ会社も検討しましたが、「日本発グローバル」、「実業の世界」にこだわった結果、日本を代表するグローバル企業であるソニーに転職しました。

ソニーでは、財務領域の様々な業務を経験してきました。一時は財務部内の複数のグループを兼務、最大4枚の名刺を使っていたこともあります。その中で最も深く携わったのはグローバルでの企業年金制度管理(Global Pension Management)の仕組みを新たに構築する業務です。多額の会計上の債務・費用を計上する年金債務、巨額の資産運用など、経営課題として重要な領域です。最近でこそJALの年金債務問題で衆目を集めるようになりましたが、私がこのプロジェクトを社内で立ち上げた2001年当時は、「なぜ人事制度に財務が関るのか?」という考えが中心でした。また、国によって制度・法律・慣習が全く異なるため、本社として海外の状況をほとんど把握できていませんでした。プロジェクトリーダーとしてこの業務に約6年間携わりましたが、その中で、人事と財務とのコラボレーション体制の構築、CFOをはじめとした本社内トップマネジメントからのコミットメント、グローバル管理ポリシーの導入などを進めることができました。世界各国主要子会社の人事・財務責任者を巻き込んでいく過程で、グローバルプロジェクトの醍醐味も経験しました。ソニーのグローバル年金ガバナンスは、日経新聞や業界誌にも先行事例として採り上げられ、相応の実績が残せたと思います。2008年にNY赴任となり、現在はソニーの北米ビジネスの財務ガバナンス・企画・運営における責任者の一人として業務にあたっています。特にソニーは米国に映画・音楽などのエンタテイメント事業を有し、エレクトロニクスビジネスが中心の日本とは全く異なる領域を経験しています。


ミシガンを選んだ理由

ミシガンは私の第一希望でした。銀行からの派遣ということで、WhartonMITChicago等ファイナンス志向のMBAを希望する同僚が多い中、私の場合、特に企業戦略論と国際経営論を中心に、ファイナンスに偏ることなく、様々な領域を広く経験したいという思いから、General Management系のMBAプログラムを受験しました。ミシガンを第一志望としたのは、当時、他のビジネススクールに先駆け、中国や中東欧などの新興市場における企業戦略、国際経営をテーマにしたプログラムを立ち上げていたこと(ミシガン内に新興市場ビジネスに関するシンクタンク、The William Davidson Instituteが立ち上がったばかりでした)、主要の科目すべてでトップクラスにランキングされていたこと、多様性(Diversity)を重視しているため様々な国・文化を有する学生・教授陣が期待できたこと、などが理由です。当時子供がまだ1歳程度であり、治安や生活のし易さ、学生生活の楽しさなども重要なファクターでした。(2年生のときは、フットボールでミシガンが全米一になりました。)


振り返って思うこと~ビジネススクール/ミシガンって何だったの?

ミシガンを卒業して早や14年、振り返って見れば、在学中に習った理論・体系・事例というものが、今の自分にとって役に立っているのは事実ですが、極端な話、そういった知識は、いわゆる「ビジネス本」からでも吸収できると思います。私のように金融の世界に身を置いていると、当時最先端として議論されていたものが、陳腐化するだけならまだしも、今の経済低迷の根源だった、なんて言われているものもある訳です。

そういった、テキストから得られるものよりも、寧ろ見出すべき価値は、全米トップクラスのビジネススクールでしか得られない環境・経験、そこで培われる考え方・姿勢などではないかと思います。ビジネス界で成功したい・目標を実現したい、という志を持って世界中から集まった優秀な学生たちが切磋琢磨する、それを教授陣がしっかりと受け止める(だけでなく、時に完膚なきまでに叩きのめす。。)、そういった環境に自分の身を置いて、曲がりなりにも2年間、やり遂げることができたこと、そして、そこから得た自信・度胸、そのようなものが実はすごく価値のあることなのでは、という気がします。膨大な宿題・レポートに埋もれた経験から得た優先順位付け(と手抜き)のスキル、ケーススタディやフィールドワークなど、与えられた限られた情報から意思決定するスキル、こんなものもビジネススクールで学ぶべきことなのだと思います。

もう1つは、やはり多様なバックグラウンドを有する教授・学生と共に過ごすことによって得られるグローバルな感覚、ということだと思います。MBAプログラムを通じて得られたクロスカルチャーでのコミュニケーションスキルというのは、今の仕事でも大変役に立っていると思います。上述した通り、ソニーにおける私のキャリアにおいては、海外のマネジメントと仕事をすることが多いのですが、こういったバックグラウンドの異なる人たちをどうやって「巻き込んで(Get Buy-in)」いけるか、プロジェクトチームとしていかにパフォーマンスをあげていくかが、とても重要だと感じます。こういったスキルも、ミシガンで日々学んだ中で得たものだと思います。

打算的に聞こえるかもしれませんが、「MBA」という肩書きは、(特に私のように米国にいる立場からは)「エントリーチケット」というか、「シード権」というか、便利なものではあります。「ミシガンMBA出身」と伝われば、「取り敢えず一次選考パス」、みたいな感じです。ゼロから信用を得る時間と労力がスキップ出来る訳です。勿論、そこから色々なネットワークやチャンスが広がるということも期待できると思います。逆に言うと、「MBA」という肩書きそのものは、その程度のものなのかもしれません。MBAを取ること自体は「目的」ではなく、その後のキャリア形成における1つの「手段」なのだと思います。

私の職場は、ソニーの米国本社、みたいな位置づけなのですが、日本人が全くレスペクトされません(笑)。実際に日本の会社であることを知らない現地社員もいると思います。NYのオフィスは700800人程度の社員がいる中で、日本人赴任者は10人もいません。つまり、文化的には米国企業な訳です。こんな環境の中、1マネジメントとして日々の仕事をしていられるのも、ミシガンでの経験があってこそ、と思っています。

最後になりますが、色々ご検討をされた結果、ご自身にあった、自分にとってベストのMBAプログラムをご選択されることを祈念します。その結果、ミシガンに来て頂くことになったとすれば、一卒業生として幸いです。


余談:米国でのミシガンの評判 (現地レポート!)

米国赴任者だからできる話; 当地(ニューヨーク)でのミシガンの評判は、いかに?

「すごく好感を持たれた大学」というイメージでしょうか。
東海岸からミシガン大学に進む学生も比較的多く、中西部の有名校、文武両道でどの領域でもトップクラス、という感じです。Ann Arborって、誰でも知っています。憧れのカレッジタウンというところでしょうか。こちらでは、極めて認知度が高く、レスペクトされている大学の1つだと思います。最近は、「Wolverines(フットボール)もっと頑張らにゃあいかんぞ(怒)」という声も聞こえますが。。

私の住むNY郊外の街でも多くのOBが住んでいるようで、そこら中でミシガンのステッカーを貼った車を見かけます。うちの息子がミシガンのTシャツを着て学校に行くと、「Go Blue!」といつも声をかけられるそうです。(決していじめられている訳ではありません。念のため)

NB Fellowship (New!)

Full-time MBAに私費で留学する日本人向けに、当校OBが奨学金制度を設立しました。

 

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