Competing for the Future



西川 博 (MBA04)

Class of 2004の西川です。富士通株式会社に入社して15年、Ann Arborを離れてから6年経ち、昨年8月よりドイツのミュンヘンにあるFujitsu Technology Solutionsという欧州地域会社でマーケティングを担当しております。チームは、ブラジル・カザフスタン出身の同僚もいますがドイツ人中心で、結果社内では、英語とドイツ語両方が必要になります。そのため今は語学学校でイタリア・ジョージア・インドからの生徒と一緒にドイツ語を学んでいます。


何故か寒い地域にあるMのつく土地に縁があるようで、昨年の8月から赴任、留学時と同じように、家も家具も無いところから生活を立ち上げることになりました。8年前は留学開始時で、仲間と助け合いながら生活を立ち上げつつ、母国開催のWorld Cupを夜中に観戦、4年前は日本に戻ってM&A/Alliance関連の業務をこなしながらドイツWorld Cupを観戦、今年はビアガーデンで同僚と日本戦・ドイツ戦を観戦しました。

子供時代の体験や趣味からエンジニアを志した、所謂、純ドメ・理系の私が何故このようなキャリアを歩んでいるのか自分でもたまに不思議に感じる所があったりしますが、以下に自分のWhy MBA, Michigan、海外で学ぶこと・生活すること・働くことについて、自分の体験や思いを記しております。ちなみにタイトルは、ミシガンで教鞭を取られていた教授の著書から拝借しており、Michiganを選ぶきっかけとなったものです。本メッセージが、MBAやミシガンに興味をもたれている皆さんに参考になれば幸いです。


Why MBA

ということで、理系のバックグラウンドを持ち、入社後は国内通信事業者向けのハード開発に従事していました。スキルを持った先輩に囲まれ、その当時の英会話の授業で先生に向かって、自分の担当している装置が技術的に最先端で世界に展開しうる装置だと自負していたのを覚えています。その後、インターネットが普及し、ネットワークがIPの世界に移っていく中で、競争が国内のベンダー間から海外のベンダーも交えたものに、技術も独自のものから標準化されたものに変っていきました。その中で、Technology drivenの開発をしてきて、自分たちがそのような市場の変化に対応した製品を作れていないことに気付きます。

その時に意識したマーケティング力の強化という思いと上司の推薦もあり、通信事業の企画部門に異動しましたが、これまでのスキルが役に立つ場所ではありません。それは私だけでなく、上司含めた部門全体も同様でした。結果、戦略を考えるといっても、結局他社はどうしているかを見て決めるしかなく、中期計画を立てるとなると、技術優位を作って売上を伸ばすというストーリー展開。中期には、耳慣れないコアコンピテンスという言葉が書かれていますが、誰も意味をわかっていませんでした。以上の様な経験から、マーケティングや戦略というものを立案するためには社内では難しいのでは考え、社内の派遣制度を利用してMBAの取得を思い立ちました。よって、出願先の選択肢は自然とマーケティングと企業戦略で定評ある所で、加えて会社でビジネス本を読むのとは違うHands-onの経験が出来、家族が安心して住める環境の良い所を選びました。結果として、Michiganに進学することになりましたが、それは相思相愛というかやはり自分の中で持っていたWhyにあった所になったということだと考えています。


ミシガンで学ぶ

正直、日本の大学では最低限の努力で可を取ることに心血を注いでいました。ミシガンでは、級友は自分のお金と時間を投資して、回収するために学校に来ています。彼らにも触発されますし、自分も時間を投資し、家族にも苦労をかけて来たわけですから、勉強せざるを得ません。ただ、実際に授業に出てみると、昔受けた授業と違ってとにかく楽しい。(外れも正直ありますが)そのクオリティの高さはやはりTop Schoolならではでは無いでしょうか。面白い授業の例はいくらでも挙げられますが、ここではタイトルに活用したC. K. Prahaladの授業。Core Competencyの前からBottom of the Pyramidまで、彼のAcademic Workの集大成で、成功体験を忘れること(日本のProject Xは逆の例としてネタにされました)、インドでの$600ATMマシンといった別の形でのInnovationと各授業で取り上げられたトピック、森田 昭夫の「Made in Japan」を読んだかと質問あり後で急いで買ったこと、企業の活動は全て文化や知識といった曖昧なものではなく、経済原理で説明できるといった発言は今でも覚えています。

加えて、通常の授業だけでなく、MAP(Multidisciplinary Action Projects)やクラブ活動から学ぶことも多くありました。MAPでは、中小企業をターゲットとした新商品開発に当たって、ターゲット企業にアポなしで電話(Cold call)し、拙い英語で顧客ニーズを引き出すためのインタビューを実施、度胸がついたのは言うまでもありません。クラブ活動は時間の許す限り参加し、かつ参加するだけで無く、企画側でリーダーシップの役割を負えるようにしました。中でもAsian Business Conference Japan Panelの企画・運営は大変でしたが、それだけ自分の中にも得るものがありました。今年は20回目だったようですが、アジアならではのチームワークやオペレーションの素晴らしさが味わえるイベントです。

最後に、クラスメートの存在です。最初に一所懸命勉強していると書きましたが、それだけではなく、皆クラブ活動や就職活動も行いつつ、学生生活を楽しんでいます。授業の最初は緊張しますが、隣の友人にGo Hiroshi!と背中を押され、発言することが出来ましたし、逆に就職活動で忙しいメンバーにプロジェクトでサポートし、ビールをおごってもらったこともありました。特に、1年間ほぼ同じメンバーで過ごすセクションメートとは、非常に強いつながりが生まれます。そんなに機会があるわけではありませんが、偶然にも今年の夏はチューリッヒにいる友人の家で小規模ながらGet Togetherを実施し、一時帰国した日本では日本から西海岸に仕事の場を移す友人の送別会を行いました。また、このホームページを見てもらえば、分かるように日本人の同窓会のネットワークも非常に強いものがあります。


海外で暮らす

ドイツは、2006World Cup以降大きく変り、英語を使う人も増え、多様な人種を受け入れるようになりつつありますが、それでもアメリカに比べると保守的な面もあります。他の駐在員や家族の中には、周囲の視線が気になったり、分からない言葉で文句を言われた事で嫌になるという話を聞くことがありますが、私と私の家族はミュンヘンで今の所快適に過ごせています。妻からは、あなたはまさに鈍感力がついていると言われるのですが、私としては最初の海外での生活の場として、過ごしやすかったAnn Arborでの経験が生きていると感じています。

皆様の中にも奥様や小さい子供がいて、海外で暮らすことによる言葉・人種・生活・文化の違いに不安を覚えていらっしゃる方も多いと思います。ですが、Ann Arborの街は少しの間住んで頂くだけで、そのような不安が杞憂だったということに気付くことになると思います。妻は同級生の奥様や語学学校で出会った友人と楽しい時間を過ごし、私同様卒業後も交流が続いています。子供の学校も国際性豊かな街ですので人種の違いが気になることはありませんでした。また、子供がいると病気や怪我で、医者の世話になることが多くなりますが、日本語で対応して頂けるお医者様がいて大変助かりました。当然公園や自然はすぐ近くですし、四季を通じて(冬は冬なりの)スポーツをすることも見ることも出来ます。また、人口10万人の町にあるとは思えない立派なコンサートホールもあり文化面でも十分満足できると思います。Ann Arborは海外で始めて生活する方にとって暮らしやすい街だとお勧めできます。


海外で働く

開発でもマーケティングでも日本の中の人材プールに限定するよりも、海外にいる従業員全体のプールから、特定ファンクションで秀でたスキルを持ったメンバーと仕事をすることが重要になってきています。少なくともパートナーとして会話するアメリカの企業は、そのようなマルチナショナルなチームを組んでいますし、私の場合にはマーケティングの強化を狙って、こちらに派遣されてきました。同じグループの中ではありますが、会議に向けた資料作りと顔をつき合わせての会議中心のワークスタイルから、資料は最低限で電話・web会議ベースのスタイルに転換。同僚は限られた労働時間で如何に無駄なくアウトプットを出して、与えられた休暇をしっかり楽しむ(だけではありませんが)という目的を持って働いています。あまりステレオタイプに判断するのはいけませんが、プロセスをしっかり作って業務を進めるところにも特徴がありますし、その割にはExecutionやスケジュール管理が甘い事もあります。ただ、進め方が違うということが分かっていれば対応できる範囲です。MBAでいろいろな国籍やタイプの学生とプロジェクトを進めることは、現在の業務を進める上でも大変役に立っています。


最後に

MBAでは自分が社長になったつもりで、ケースを読み授業に参加します。しかしながら、私のように会社派遣で戻ってきた人でも、転職を図った人も、またミドルマネージャから業務を始めます。結果、自分の責任範囲の大きさやこれまで通りモメンタムに沿った意思決定を行う周囲に不満を感じることもありました。しかしながら、日本の経済や政治も同様ですが、ただ文句を言っても何も変りません。Prahaladは young managerでも変革を起こすことが出来るというメッセージを残してくれました。質の高い授業で得られる知識、授業以外での体験、クラスメートとのネットワークといったミシガンで得た財産と、40の手習いでやっているドイツ語も一部ですが更に自分を高めて行って、自分の業務とその周辺に変化を起こしていきたいと考えています。卒業後6年が経過して、皆さんがミシガンで受ける授業や体験する内容は、私のものとは恐らく変っていると思いますが、根底にあるミシガンのコアコンピテンスは変っていません。私が得たように、ミシガンは皆さんに異なった環境で生活・業務する力(鈍感力?)や変革するための力を与えてくれると思います。メッセージに関して、質問があればいつでも連絡してください。卒業生は皆真摯に質問に答えてくれると思います。

以上

NB Fellowship (New!)

Full-time MBAに私費で留学する日本人向けに、当校OBが奨学金制度を設立しました。

 

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